自転車 Feed

2007年7月 3日 (火)

続・自転車の話

私の場合、自転車で走るときに、たとえば甲州街道とか明治通りとか環状6号線とか、いわゆる大きな道路の車道を走るのは、なるべく避けるようにしてます。そこは交通量も多く、トラックや乗用車やオートバイなどが大きな顔して走っていて、自転車はどうしても「スイマセン・・・おじゃましてまーす」みたいになります。歩道はというと、そこはやっぱり歩行者のものだし、段差も多いです。そんな訳で、わりと裏道ばかりを走ることになります。道幅の狭い道路を走ることもあり、そんな時、気をつけねばならないのは、路地からの飛び出しです。

わりと用心深く走っているので、今まで事故には会ってませんが、原付バイクと歩行者の飛び出しにより、2度ほど顔から落ちたことがあります。相手とは接触してません。いわゆる自爆転倒です。Bureki_3

何故、顔から落ちるのかというと、人は咄嗟の時、つい利き腕のほうのブレーキレバーをおもいっきり握ってしまうからなのです。私の場合、利き腕は右です。右のブレーキは前輪用です。わりとスピードが出ているときに、前輪がロックされると、つんのめって前から落ちます。手はハンドルを強く握ったままなので顔から落ちるわけです。

確かに、自転車屋のオヤジから、急ブレーキをかけるときには、一瞬左をかけてから右をかけないと、顔から落ちますよと注意されましたが、そんなこと急にできませんよ。だって急なブレーキなのですから。

幸い外傷はなかったんですが、しばらく顔が痛かったです。笑うと歪んだりして。だいたい顔から着地するってみじめです。マンガじゃないんですから。しかも2回も。そういうことなので、それ以来、より用心深く走っております。皆さんも気をつけてください。ホント、あっけなく顔から落ちますから。

今の話とは全然関係ないんですが、もう一つ自転車の話です。

この間、スポーツ雑誌を読んでいたら、プロ野球開幕前の清原の記事がありました。去年ひざの手術を受けた清原は、突然読売ジャイアンツから戦力外通告され、そうとう落ち込んでいたんだそうです。そんなとき、亡くなった仰木監督からオリックスに誘われました。何とかもう一度やってみようかと思ったものの、やけになって暴飲暴食した身体が120kgにもなっていて、とにかくまず、身体作りから着手したんだそうです。鶏のささみと豆腐と卵の白身を少しずつ摂りながら、走りこんで筋トレを繰り返しました。その時、体重を絞るため自転車にも乗ったんだそうです。

以下、清原談。関西弁で読んでね。

「わざわざ自転車買うてな。夜は家からジムまで漕いでいった。もう何年も乗ってなかったから、コケそうになるし()。でもな、それがすごくよかった。東京にいて車ばかり乗っていたら、季節感なんて感じることもないやろ。自転車に乗ってると、『ああ、もう秋口の涼しい風やなあ』とか、風の匂いも感じるし、街の匂いも感じる。プロになって、いつのまにかいい車で練習場にいくようになったけど、子どもの頃はこうやって自転車に乗って練習に通ってたなあなんて、昔のこと思い出したりな」

どこへ行くのも外車乗ってブリブリ走ってたこの人が、そうやってペタルを漕ぎながら、何か基本にもどってもう一度がんばろうと思ったそうです。何かちょっとわかる気がしましたんですけど。

2006/6

私の自転車通勤

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7年位前に、ふと思いついてから、時々自転車で通勤するようになりました。杉並の自宅から神 宮前の職場まで、片道10kmちょっとで、約40分。毎日往復すれば良い運動になるのですが、そうもゆきません。雨も降るし、出張もあるし、だいたい、夜、酔っ払ってることが多いのが良くありません。自転車の酔っ払い運転は本当に命にかかわります。そんなわけで、自転車通勤ができるのは、1週間のうち1日か2日がよいところです。1年のうちでは、1月、2月、7月、8月は、ほぼお休みします。真冬は半端じゃなく寒く、いくら必死で自転車漕いでも、体が暖まる頃には家に着いてしまいますし、真夏はとにかく暑く、着てるものすべて汗びっしょりになるからです。

そんなことなので、えらそうに自転車通勤やってますと言っても、たいしたことはないんです。

でもね、わりと楽しいもんではあります。自転車で走ってると、けっこういろんな発見があるんです。温度や湿度や木々草花の変化、季節の変わり目。へえ、こんな所にこんな店があるんだあ、とか。この路地入ってみたら、こんな所に出てくるんだあ、とか。自転車は道さえあればどこでも走れますから、狭かろうが、一方通行だろうが、階段だろうが、平気です。それに、停めとく場所にも苦労しません。本屋でも、映画館でも、仕事先でも、わりと気楽においとけます。ただ、あっちこっちに自転車を停める人には、何十万円もする高価な自転車はお薦めしません。わりと簡単に盗まれちゃいますから。私も1台やられました。高級車じゃなかったですけど。

もともと仕事でロケハンとかさんざんやってることもあり、地図を読むのは、得意だし好きです。地図上でシミュレーションしたコースを走ってみると、また新たな発見があったりします。これもまた面白いんです。

こうやって、あるエリアに関して、妙に道事情に精通したおじさんになっていきます。

地形の事も詳しくなりますよ。特にきつい坂道に、自転車乗りは敏感です。芋洗坂、鳥居坂、仙台坂、暗闇坂、道玄坂、宮益坂、三分坂、乃木坂、霊南坂・・・・・・東京には、けっこう坂が多いんです。地名に谷のつくところも必ず坂道です。四谷、千駄ヶ谷、渋谷、富ヶ谷、幡ヶ谷、市ヶ谷とかとか、自転車で走ってみるとわかります。西麻布の交差点あたりから墓地下のあたりが、かつて霞町という地名だったのは、低地なのでよく霞が溜まっていたからだそうで、このあたりも確かに坂道だらけです。こうやって、普段あんまり気にすることのない地面の高低差に、やたらと詳しくなります。いずれにしても、東京を自転車で走る場合、アップダウンは避けられません。

こういう状況下で、私が乗っているのは、クロスバイクというジャンルの自転車です。マウンテンバイクの部品で構成されていますが、マウンテンバイクのようにハードなオフロードを走る太くてタフなタイヤではなく、ロードレーサーのようにスピードに特化した軽くて細いタイヤでもない、二者の中間のタイヤを履いた、とんがった部分は少ないが、現実的で幅広い使用目的にあったスポーツバイクです。

こういうふうに書くと、どんな自転車じゃろかと思いますが、まあ言ってみれば、ふつうの自転車に変速機つけたようなものです。

ロードレーサーのように、大きな街道で乗用車やトラックの合間を、男らしくすっ飛ばしてゆくわけでもなく、マウンテンバイクのように、週末の林道を、男らしくかっ飛ばすわけでもなく、東京の裏道を思いつきでチョロチョロ走る私には、ちょうどよい自転車なのです。

そんなことで、体を鍛えているというほどのことではないのですが、飽きずに続いている私のバイクライフなわけです。

2006/5