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2007年7月 3日 (火)

1978年のスター・ウォーズ

Robot 「エピソード3 / シスの復讐」見てきましたよ。なんだかこれでシリーズも終わりだと思うと、すぐ見てしまうのももったいなく、でも早く見たいよな、やっぱり、などと躊躇しているうちに忙しくなってきたりして、気がつくと夏の終わり。映画館もわりとすいていて、いい席でじっくりと鑑賞して来ました。なるほど、相変わらずよくできております。おまけに今回は、この壮大なエンタテイメントの締めくくりで、第一作とつながる最も盛り上がる部分でもあります。なるほど、なるほど、そういうことだったわけね、ふむふむなどと言いつつ、そのディテールを堪能してきたのでした。

思えば最初の「スター・ウォーズ」が制作されたのが1977年、次の「帝国の逆襲」が1980年、「ジェダイの復讐」が1983年、しばらく間があって新シリーズが始まり、「エピソード1 ファントム・メナス」が1999年、「エピソード2 クローンの攻撃」が2002年、そして今回の「エピソード3」となります。かれこれ28年の月日が流れました。レイア姫のキャリー・フィッシャーも今年49歳ですもん。感慨深いものがありますよね。

第一作を見たときのことは、ものすごくよく覚えています。日本の公開は1978年だったと思います。私は当時、新橋のCMプロダクションに就職して2年目でした。世界中で大評判のこの映画の公開を、それはそれは楽しみに待っていました。封切後まもなく、職場の同年代の45人で会社を抜け出して見に行きました。映画館は銀座の「テアトル東京」、今はなくなってしまいましたが、いつも洋画の大作がかかっていた有名な映画館でした。この日は、平日の昼間だというのに満員、ギリギリに滑り込んだ私たちは、最前列に座ることになりました。実は、この「テアトル東京」という映画館のスクリーンは、当時多分東京で1,2を争うスケールで、おまけにスクリーンが平面でなく、大きく湾曲していて、最前列に座ると、スクリーンの左右の端が真横にある感じです。満員なのにこの席が空いていたのはそのせいで、まいったなと思いました。でも、その場所でこの映画を体験したことは、忘れられない思い出になりました。すごかった。ハン・ソロの操縦する宇宙船はぶつかるんじゃないかと思うほど目の前を横切ります。視界のすべてがスクリーンで、左右の端は首を振らねば見渡せません。戦闘機の主観は自分が乗っているようで、気持ち悪くなりそうだし、ルーク・スカイウォーカーが敵の戦闘機を打ち落とす有名なシーンは、彼が移動式の銃座ごと画面の端から端までものすごいスピードで移動するたびに、こっちは首が痛くなるわけです。今までに見たことのないまったく新しい映画でした。撮影も編集も本当に斬新で面白かった。後にレンタルビデオでこの映画と再会したときには、すべてのシーンをコマ送りで確認したほどです。私たち当時の若者は、興奮し完全に虜になり、帰りの地下鉄では、ずっとダースベーダーの息や、C-3POの声などの物真似をしていたと思います。映像制作のプロを目指していた私たちは、もろに影響を受けました。

後日談です。

それから7年ほど経った夏、私は新米のプロデューサーになっており、ロサンゼルスでCM撮影のためのロケハンとキャスティングをしておりました。CMの設定は、ハリウッドのSFXスタジオでの特撮スタッフたちのコーヒータイムというものでした。いくつかのロケ場所の候補の中に、あのスターウォーズの特撮監督のジョン・ダイクストラの所有するスタジオがありました。彼と会って握手をしただけで、もう充分に夢見心地になっていた私ですが、あろうことか、ジョンがこう云いました。

「僕でよかったらCMに出演してもいいよ。でも、僕がCMに出ていることは、発表しないでほしいんだけど。」

私の瞳は完全に星の形になってました。うれしかったなあ。

その秋からそのCMはオンエアされました。その画面の中心にいる結構かっこいいおじさんが、あのジョン・ダイクストラだということは、誰も知りません。云いたくて仕方なかったけど、男の約束です。ずっと我慢しました。私のひそかな自慢話です。

2005/9

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