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2009年2月19日 (木)

市川さんへ

Ichikawasan_4    市川さん、何と云ったらよいのか・・・

私は、市川さんが昨年9月に、すでにこの世からおさらばされたことが、

未だに信じられずにいます。

このところ、ご無沙汰していたこともありますが、

テレビには、相変わらず市川さんが作ったCMがたくさん流れていますし、

お見かけしないときは、また映画の撮影をしたり、編集をしたり、企画をしたり、

脚本を書いたりされているのだろうなと思っておりましたから、

なかなか実感がわかないのであります。

12月には、ものすごくたくさんの方がお集まりになって、

椿山荘で「お別れの会」が開かれましたが、

映画市川組のメインスタッフの方々が、ズラッと並んであいさつをされている風景は、

何か大きな映画の賞を受賞されたお祝いのパーティーと、錯覚してしまいそうでした。

市川さんの大好きなスイトピーに包まれた遺影は、良い顔をされてましたね。

盟友のカメラマン、広川さんが撮られた写真でした。さすがです。

そういえば、昔、市川さんの映画に、ある役の遺影で出演させていただいたことを思い出しました。今となっては、ただ懐かしい思い出です。

年末に、遺作となった「buy a suit スーツを買う」を観せていただく機会を得ました。

市川さんが逝ってしまわれたあと、仕上げの途中だった映画を完成させた助監督の方と、

主演女優さんと、市川さんの事務所の方と一緒に観ることができました。

そのあと、みんなで晩御飯を食べながら、ずっと市川さんの話をしていたら、

市川さんはほんとに、もういらっしゃらないんだなという気がしてきて、哀しかったです。

buy a suit スーツを買う」は、とてもよい映画でした。

映像表現に、今までにない新しい試みがあふれていました。

きわめて実験的だけど、それでいて市川さんの映画のトーンが、守られています。

心に残る映画でした。

新しい手法を発明して、それに手ごたえを感じながら、映画監督としてワクワクしながらこの映画を作ってたんだろうな。

皆さんの話を聞いていて、そのことがとてもよくわかりました。

新しい仕事に、CMでも映画でも、いつも貪欲で、寝る時間がなくなっても、

何より楽しそうにものを作る人でした。

勇気づけられました。たくさん助けてもらいました。教えてもらいました。

同じ時代に、同じ業界に、いられたこと、、

CMも映画も、市川さんの仕事に少しかかわれたこと、うれしかったです。

いつか、そちらでお会いできたら、また付き合ってくださいね。

市川準監督 追悼上映 3/21(土)~27(金) 渋谷ユーロスペース

http://d.hatena.ne.jp/ijoffice/

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