祝・古稀
古来、「古稀」というお祝い事があります。
唐の詩人、杜甫の詩・曲江「酒債は尋常行く処に有り人生七十古来稀なり」に由来するそうで、70歳を祝うことなんです。
詩の意味は「酒代のつけは私が普通行くところにはどこにでもあるが、七十年生きる人は古くから稀である」ということらしいんですが、学がないんでなんだかよくわからないですけど、どっちにしろ酒飲みの詩人なんすかね。
それはともかく、私の周りには、このところ70歳になられる大先輩がわりとおられまして、こりゃ一回お祝いしようということになり、会が開かれることになったんです。
今年、御年70歳におなりになるのは、昭和23年頃のお生まれで、戦後ベビーブーマーと呼ばれる方々で、もともとこの国において人口比率の高いジェネレーション、いわゆる「団塊の世代」です。
昭和20年の終戦の直後に復員兵の帰還に伴って出生率が上昇した時期に生まれた世代と云われておりまして、昔から戦争の後には、たくさん子供が生まれて人口が増える傾向があるようなんですね。
ということなので、この年代の先輩たちはもともと人数が多いのと、大人数の中で生存競争をしてこられたので、皆さんシブトイ、じゃなく御丈夫でお強くあられます。
自分が社会に出ました時にも、業界のなかで上を見上げますと、6才程上のこの年齢の方々がびっしりと活躍されておりまして、しかも、皆さんほんとに優秀なもんで、なんだか当分は自分が上がってゆくのは難しいんじゃないかと思えました。このことは、たぶん私と同年代のどの業界の人達も感じたことだったんじゃないでしょうか。
ただ、仕事で云えば、彼らからすると、人数の少ない私たちの年代を育てないことにはどうしようもないわけで、わりと丁寧に親切に育てて下さったことも確かでして、実は大変お世話にもなってるわけであります。
たとえば、今回古稀の会に来ていただくのは、私が22才の時にこの仕事を始めて、わりと初めて仕事らしいことをやった時に、会社の上司でプロデューサーだったY田さんと、スポンサーの宣伝部の担当者だったN川さんと、担当コピーライター兼CMプランナーだったS山さんでして、思えば皆さんその時まだ20代でしたが、それからかれこれ40年くらいお付き合いをさせていただいてるわけであります。ただ当たり前ですが、40年間ずっと6才下の後輩という立場は変わっておりません。
それに加えて、皆さんとその頃からのお仲間で、今や世界的なアートディレクターのT田さんも来てくださり、又、同じくお友達のご夫婦で、湘南にお住まいでよくお世話になっているK村さんと奥さまのお二人にも来て頂き、皆さん丁度そのあたりのお生まれでありまして、なんと6名の古稀のお祝いとなったのであります。
お祝いをするのは、皆様のご家族と、私たち後輩有志です。
幸いなことに、本当に皆さんお元気でいらっしゃいまして、この日はおいしい肴を用意して、すっかり深酒でもいたしましょうかと思ってるわけです。
ただ深酒するというのも、いつもと変わらないので、何か記念になるものを作ろうかという話になりまして、皆さんに歌舞伎役者のような屋号を付けて、記念手拭いと、似顔絵イラスト付き幟(のぼり)を製作してプレゼントすることにしました。
デザインは、S山さんのお嬢さんが担当してくださいましたが、才能豊かなお嬢さんでして、相当良い出来になっております。そんなことで、当日はかなり盛り上がりそうで今から楽しみであります。
いずれにしましても、日頃よりお世話になっている先輩の節目のお祝いを、みんな元気にできることは、ありがたいことであります。
今年古希を迎える先輩は、特に元気なんじゃないかとも思えますが。
ちなみに、皆さんの屋号は、出身地、居住地、会社名、職種などより、いいかげんにつけております。
おめでとうございました。
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