50周年記念大同窓会みたいなパーティー
今月の初めに、なんだか500人も集まる盛大なパーティーがあって、呼んでいただいたんですけど、場所はお台場の某ヒルトンホテル宴会場で、老若男女500~600名ほどが、一堂に会してのおよそ3時間があれよあれよという間に過ぎ去った不思議なひとときだったのですが、これ何の集まりだったのかと云うと、ある会社の創立50周年パーティーでして、社員は350人くらいなんですが、50年間の元社員にも声がかけられていて、私もこの元社員なんすが、なんなら家族もどうぞということもあり、広い会場にぎっしりと人が詰まっておったのです。
この会社は映像コンテンツの制作会社で、テレビCMとかを作っておりまして、もちろん業界では大手と認識されております。私はこちらの会社ができて10年目くらいのときに、ひょんなことで紛れ込みまして、社員ナンバーが27番でしたから、当時はそれくらいの会社でした。その後この会社で仕事をおぼえて、けっこう忙しい10年ちょっとを過ごし、この会社の仲間3人と同業の会社を立ち上げたんですね。その会社も今年で30年になりますから、月日の経つのは早いもんであります。当然ながら、私は50周年のこの会社にとっては、ライバル会社の人なんですけど、そういう了見の狭いことは云わないで呼んで下さったわけであります。
私が会社を辞めた頃には、100人を超す社員数にはなってましたから、この会場にも知ってる人は相当数おりまして、入っていきますと、ほんとに懐かしい先輩や後輩が次々に現れるわけでして、当り前ですけど、どの人も同じ年数だけ年取ってるんだけど、錯覚なのか、変わってないんですね、みんな。
長い間には、すでに鬼籍に入られた方も多々おられますが、ここにいる人は、とりあえず元気な人たちなんです。
まあともかく、しみじみと過ぎ去った時間をかみしめたんですね。
そして、会社が50年続いて立派に存続するということは、実に大変なことだなあとも思いました。
私がこちらに在籍したのは、22歳から34歳までの11年ちょっと、まさに青春時代でしたが、徐々にメンバーも増え、仕事も増えていく勢いのある時代でした。今考えてみると、自分にとってこの会社は、最後に通った学校みたいなところがあります。仕事は大変なんだけど、面白かったし、なんだか時代も業界も混沌としていました。
5年くらいたって、少し仕事のことがわかってくると、かなりマイペースで調子に乗って仕事してて、けっこう生意気になってましたから、上司を本気で怒らせたりということも多々ありました。
こんなこともありましたね。ある日いつものように、昼過ぎに出社してきたんですけど、会社に向かって歩いていると、会社から、総務部責任者のS田さんが走ってきたんですね。で、
「今、お前会社に入っちゃダメ。O田常務がカンカンに怒ってお前のこと探してるから、ちょっとここの喫茶店に隠れてろ。」とおっしゃって、私を止めたんです。
私も、生意気でしたから黙って怒られてるわけないから、それを避けて下さったわけで、S田さんには、私はいろんな意味で何度も救われておりました。
このO田常務以外に、社長と専務がいらしたんですけど、このお二人のことも、時に本気で怒らせていたと思いますね。
まあ、そんなことはよくあることで、たまには褒められることもあるんだけど、なんだかこんなふうに勢いがあって元気な会社だったと思います。この日会った私の後輩たちは、当時の私のことが本当に怖かったと言ってました。何だか鼻息荒かったのでしょうか。そうだったかなと思うけど、そうだったような気もします。でも、その後輩達も今は立派なプロデューサーとかになっていて、お互いゲラゲラ笑いながら酒飲んで昔話ができて、いつも助けてくれたS田先輩とも、あの時怒って私を探し回ってたO田常務とも、あ、O田さんは後で2代目の社長になられたんですけど、昔話で盛り上がって、やっぱり大事な時間を共有した場所だったんだなあと思えたんですね。
ま、ともかく、時間というものが人とか記憶とかを熟成させるということがよくわかった一日でした。
そして、次の日には、皆からその日の写真を、メールでいっぱい送ってもらいましたが、そこには昔よりもずいぶん丸くなった自分が写っておりました。いろんな意味で。
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