犬の賢愚の法則
やはり例年、お彼岸を過ぎると寒い日が少なくなってきて、ポカポカと暖かい日が増えてきますが、朝晩はまだ寒いことが多いですね。だからというわけではないのですが、私の寝床には毎晩犬が2匹寝ております。人間が寝床に入る時にはベッドの横の自分達の寝床で寝てるんですが、必ず夜中にベッドに上げろとワンワン云うのです。
仕方なくベッドに上げると、母犬の方は、羽毛の掛け布団の上で眠るのが好きで、私の腹のあたりに乗ることが多く、倅犬の方は何故か人の枕に乗り掛かったり、頭を乗せて横になります。こういう状況になると、私も寝返りなどの動きが制限されまして、顔のすぐ前に倅犬の尻があったり、夜中にうなされて起きると私の胸の上で爆睡している母犬がいたりして、やや窮屈なことになるのが秋から春にかけてのこととなります。まあ夏は暑いので、玄関の石の上が気持ちが良いらしく、寝室には入ってこないんですけどね。
この二匹というのが母と息子なんですが、母が10才、息子が6歳のグレーのトイプードルなんです。トイプードルと云うのはわりとちっちゃいんですけど、せまい家で一緒に暮らすと、これが、けっこうな存在感を示します。
このブログにも書きましたけど、この母犬のマリンが、6年前に大騒ぎの出産をして、一匹だけ産んだ息子がこのチップでして、以来、我が家は人間4人と犬2匹の構成になっているわけです。
犬というのは、いっしょに暮らす人間にきちんと向き合って、じっと見つめて生きていくとこがあって、自分のことを、いつもかまってほしいというとこがあります。そこが可愛いんだけど、あんまり託されると荷が重いところもあります。距離感で云うと猫なんかの方が、お互い勝手に生きてる感じが楽な気もするんですけど、うちはカミさんが猫が苦手なので犬なんですけど、そういうとこがあって、うちは犬に、犬らしいしつけのようなことを一切しませんから、芸は何もできません。お座りもできんと思います。まあ ちっちゃい犬だからいいんでしょうけど、大きな犬だとしつけをしないと絶対に一緒に暮らすことはできませんからね。まあそういうふうに暮らしてるから、ベッドとかソファで無防備に寝てる姿が、ちょっと猫っぽいとこがあるんでしょうか、うちの犬たちは。
私の友人のNヤマサチコ女史曰く、動物を2匹飼っているたいていの場合、片方が賢いと、もう片方は愚かであるという法則があるそうなんです。女史は代々猫を飼っておられて、経験上あきらかにそういうことなんだとおっしゃる。彼女のブログには、頻繁にいっしょに暮らす猫の話が出てきて、読んでると確かにそういうところがあります。この話を聞いたときに、私も、はたと膝を打ちました。うちの場合も確かにその通りなのであります。
母犬のマリンは、子犬でうちに来た時から、礼儀正しくて、我慢をすることができるタイプで、まあ多少わがままなところもありますが、それは、なんかお嬢様育ちのわがままと云った感じで、いわゆる賢い子なんですね。妻は、
「この子は私に似たわ」と云ってます。
それに比べて、息子のチップの方は、我慢ということを知らない。何でもやりたいことはやる。そのくせ淋しがりで、いつもかまってかまってと云う。気が小さくて怖がりだから、舞い上がると吠えまくって、トイレなども失敗の連続。いわゆるおバカさんキャラなわけです。
たとえば、二匹を連れて散歩に行くとですね、母犬の方はきちんと私の斜め後ろを、まっすぐに私の速度に合わせて歩きますね。倅の方はと云うとですね、私の前後左右をジグザグに全く無軌道に歩きますね。紐もこんがらがるし、私もマリンもすごく迷惑なんです。それでチップは、一人だけそうやって余分に歩くもんだから、途中で必ず疲れ切ってしまい、そうすると自分のリードを噛んで引っ張って、抱っこしてくれと云うんですね。そこでマリンの方を見ると、スミマセンガ抱っこしてやっていただけますか。と、ちょっとすまなそうに眼で云うんです。散歩に行くといつもそうなります。
血の繋がった母子、母が自ら産んだ息子なのにこの違い。顔だけは似てるんですけど。
Nヤマサチコ女史の言われる、賢愚の法則が明らかに証明されております。
しかし、こうやって母犬が来て10年、愚か者が加わってからも6年となりますと、彼らがいる風景が普遍となります。
チップのことを、「この子はあんたに似たわね。」 と妻は言いますが。
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