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2009年12月11日 (金)

社員旅行キャンプ

Camp

私の勤めてる会社の話なんですが、ちょっと変わっていて、社員旅行に全員でキャンプをするんですね。昔はもうちょっと普通の社員旅行をやってたんですけど、海岸のロッジ風ホテルに泊まって、夜じゅう砂浜でキャンプやったりしたころから、だんだんその傾向が強くなってきたようで、最近では、去年も、この前も、約40名、南アルプスの渓谷で、まる2泊3日キャンプやって帰ってくるんですね。

何故そんなことになっているかというと、皆、存外これが好きだということもあるのですが、主にけん引している人が二人おります。うちの会社のリーダーというか、現場を束ねている中間管理職というか、普段からペースメーカー的存在である、仮にO君とW君とします。(別に匿名にすることもないんですけど、すぐわかるし)

O君は、少年時代から、バリバリのボーイスカウト出身で、いまでも世界中でキャンプをしていて、こういうことに関して大抵のことでは驚かない人で、アウトドアライフを本当に分かり、愛している人です。W君は、知る人ぞ知る転覆隊の隊員で・・・

転覆隊、若干の説明が必要ですが、サラリーマンたち(主に広告業界)で構成されたカヌーのクラブで、クラブという呼び方が適しているかどうかわからんのですが、普通のカヌー乗りが避けて通る激流ばかりにトライして、年中転覆ばかりを繰り返している隊なのです。ここの隊長という人が、私もよく知っている人なんですけど、転覆隊のことを本に書いたりしているのでご存知の方もあると思いますが、とてもかたぎとは思えないむちゃくちゃ向こう見ずな人なんです。この隊長に鍛えられているW君は、何というかけっこう野蛮なアウトドア派の人なのです。

この二人がリードするキャンプというのは、ある意味本格的でして、ある意味すごく面白いのですが、けっこうハードルが高いのです。

たとえば、2年続けて訪れている南アルプスのそのキャンプ場は、自然のままのとてもきれいなところですけど、私たち社員以外、誰もいません。洗い場と、トイレと、形ばかりのバンガローがあるのですが、それはそれは、何から何まで自分たちでやらねばなりません。キャンプなんだからそれはそうだろうと思うかもしれませんけど、キャンプにもいろいろなレベルがあって、あまり体験したことのない者にとっては、ものすごく新鮮な驚きがあります。いわゆる世間でいうところの社員旅行の、慰安とか、慰労とかいった意味あいは皆無です。全員、ひたすら、ただ働きます。楽しくはありますが。

現地に到着すると、テントを張り、椅子やテーブルを組み立て、屋根も付け、石で釜戸を作って、薪を運び、ある者は猪肉や鹿肉やキノコなど現地調達の食材を集めに走り、ある者は野菜の皮をむき刻み、食材の下ごしらえをし、ある者は火を起こして湯を沸かし見張り、やることは山のようにあります。準備ができたところでメインイベントのメシ作りです。何班にも分かれいろんなものを作りますが、40人分は結構時間がかかります。晩メシが出来上がったころには、心地よい疲労感漂う身体に酒が沁み渡ります。そしてこのメシが、異常にうまい。わけもなく楽しい。

さて、大宴会が始まりました。そこらへんで、すでに力尽きて倒れてしまった奴もいますが、気づくとまた蘇って飲んでおります。他に誰もいない谷あいに持ち込んだフル装備のオーディオ機器の大音響は、真夜中まで響き渡り、焚火の炎はえんえんと燃えさかって、いつまでも宴会は続きます。

やがて、つかの間の朝の静寂が訪れたかと思えば、どこからともなく朝飯の支度の火が起き始めます。皆、若く元気です。彼らの大半は、このあと弁当を持って、けっこうきつい山登りに出かけました。私はというと、何人かで、山をおりたところにあるサントリーのウイスキー蒸留所に出かけ、半日シングルモルトを飲んでおりました。

夕方、山登り組と近くの温泉で合流し、またキャンプ場に戻って、火をおこし、メシを作って、二晩目の大宴会が始まりました。その夜は、ぐっと冷え込み、火を大きくして、しこたま酒を飲みます。労働の後の酒は、またしても心地よくしみ渡っていきます。2日目は、その辺りで倒れている人数も増えております。昼間の激しい山登りを終えた社長は、早々にテントに沈みましたが、なおも大宴会は続くのです・・・朝まで。

しっかし、このエネルギーは何なんだろう。

私は、翌日早々に、この日東京で用事のある人たち数人を乗せて帰京しました。そして帰宅したあと、うちの犬たちと一緒に昼寝しました。爆睡でした。

一方、会社の若者たちは、あとかたずけをした後で、帰り道に富士急ハイランドによって、絶叫マシンに乗り倒し、絶叫しつくして帰ってきたそうです。

次の日が月曜日だというのに…

恐るべきエネルギー・・・・世の中の役に立てたいものです。

 

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