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2009年10月 6日 (火)

舞阪の「シンコ」と気仙沼の「サンマ」

この夏に行った二つの小旅行の話です。一つは夏の初めにシンコを食べに静岡へ、一つは夏の終わりにサンマを食べに気仙沼へ。

メンバーは、私と、仕事の先輩であるKさんとYさんの3人。

ことの始まりは、いつだったかこの3人で飲んでいた時のことです。

私たちは、仕事柄、けっこういろいろなところを旅しているのですが、この国の中でも、まだまだ知らないところがあります。そこで、前々から気になっていて、まだ行ったことのない場所の話になりました。

その時、Kさんが熱く語ったのが、気仙沼でした。たしかに何かで読んだり、誰かから話を聞いたりしたことがありますが、3人とも行ったことがありません。いろいろ話していくうちに、だんだん盛り上がって、なんだか圧倒的に行ってみたくなりました。

よしっ、いつ行くか決めようということになり、話は一気にまとまり、夏の終わりに行くことになりました。こういうことをたくらんでいる時は、みな子供の顔になります。

Kさんは、ごきげんで演歌を口ずさんでいました。

♪港――ぉ、宮古、釜石―――ぃ、気仙沼――――っと。♪

森進一の港町ブルースでした。

後日、Kさんから気仙沼の資料を渡されました。この人はもともとが企画マンのせいか、いろんな資料がでてきます。いつからためていたのか雑誌などの記事がたくさんあります。三陸のリアス式海岸に位置する漁港の風景、海沿いの単線を走るディーゼル列車、そして、港に上がる海の幸の様々、ホヤ、緋衣エビ、カキ、フカヒレ、カツオ、キンキ、サンマ等々、ナマものあり、焼き物あり、なかでも「福よし」という老舗の居酒屋で、秘伝の炭火遠赤外線焼きのサンマの写真は絶品でありました。なるほど、よい資料です。

この資料のなかに、紛れ込むように入っていたのが、静岡の舞阪の「シンコ」の資料でした。Kさんに聞くと、

「これは別企画なんだよ。初夏の企画ね。」

などとニコニコおっしゃる。

これも、読むと面白いんですね。シンコとは、コハダの稚魚で、築地に来る寿司屋さんたちが、初夏に初物を心待ちにしているのが、浜名湖「舞浜のシンコ」なのだそうです。そんな中、地元でただ一人、舞阪のシンコにこだわっている寿司職人がいるというのです。シンコのにぎり寿司は、初水揚げのときは、まだ本当に小さくて、12枚から10枚づけでにぎるそうです。だんだん大きくなるにつれ、8枚、6枚、4枚となっていきます。何枚づけが食べられるのか、急いで電話をしてみました。6月のはじめでした。

「今年はまだ上がってませんね。漁師さんの話では、去年より少し遅くなりそうで、7月のはじめからですかね。」

と御主人。

かくして夏の小旅行企画は、いつの間にか夏の初めと終わりの2企画となりました。

ここから、地元と連絡を取りながら、スケジュールを立て、移動手段を決め、宿泊場所を選んで、どこで何を食べるかをセッティングするのは、私の仕事です。昔、3人で仕事をして、ロケハンやロケに行った時も、それは私の仕事でした。みんなしておっさんになっても、その役割は変わらないのです。相変わらず、私は最年少です。

やはり、たしかな企画をもとに、リサーチを徹底すると、すばらしい出会いが訪れます。

それぞれ、一泊と二泊の幸せな小旅行となりました。

晩夏の気仙沼を満喫した夜のスナック、3人で、あの「港町ブルース」を唄いました。一番から六番までを唄いながら、Kさんのこの企画は、まだまだ続くのだなと思いました。

一、背のびして見る海峡を

今日も汽笛が遠ざかる

あなたにあげた夜をかえして

港 港函館 通り雨

二、流す涙で割る酒は

だました男の味がする

あなたの影をひきずりながら

港 宮古 釜石 気仙沼

三、出船 入船 別れ船

あなた乗せない帰り船

うしろ姿も他人のそら似

港 三崎 焼津に 御前崎

四、別れりゃ三月待ちわびる

女心のやるせなさ

明日はいらない今夜がほしい

港 高知 高松 八幡浜 3nintabi_6

五、呼んでとどかぬ人の名を

こぼれた酒と指で書く

海に涙のああ愚痴ばかり

港 別府 長崎 枕崎

六、女心の残り火は

燃えて身をやく桜島

ここは鹿児島 旅路の果てか

港 港町ブルースよ

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