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2011年8月

2011年8月15日 (月)

ギャンブルう

少し前に、「いねむり先生」という本を読んだのですが、なかなかよかったんです。

伊集院静さんが、生前の色川武大さんとの出会いと交流をベースにしたもので、主人公のこの先生に対する尊敬とか愛情とかが、独特な味わいで書かれています。

色川さんという人は、若かった私にとっても非常に興味深い存在でした。直木賞はじめ数々の文学賞を受賞する小説家であると同時に、博打打ちとしても本物の人で、その経験をもとにした麻雀小説は、阿佐田哲也というペンネームで書かれ、当時大人気でした。

そんなことで無頼派小説家などと呼ばれていたけど、たまにTVとかで見かけると、もの静かではにかみ屋のおじさんといった風情で、優しそうな人でした。そのギャップもちょっとミステリアスで、心惹かれたのかもしれませんが。

懐かしくなったので、昔読んだ「麻雀放浪記 青春篇」を、もう一度読んでみました。

自身の体験をもとにしている上に、文章力が見事で、リアリティが半端なく、やっぱり名作でした。この小説は、和田誠さんが1984年に映画化していて、これもかなりよくできていて話題になったものです。

私が阿佐田さんの麻雀小説をよく読んでいたのは、東京に出てきて大学生になり、うんざりするほど麻雀をやっていた頃でした。金がなく、勉学に熱心でなく、時間と体力だけがうんとある若者にとって、麻雀はこのうえない友達でした。自分の下宿でも、先輩のアパートでも、駅前の雀荘でも、やったやった。

下宿は雀荘と化し、麻雀の役の中でも非常に難易度の高い役満が出ると、その役の名称(例えば、大三元とか四暗刻とか大四喜とか)を、短冊に書いて署名をして壁に貼っていったのですが、しまいには六畳間を一回りしてしまいました。それにあきたらず、阿佐田さんの小説に出てくるような、積み込みの練習をして試してみたり、仲間と二人組んでサインを決めてから、とある街の雀荘に乗り込んでみたり、と。いま思えば、その世界にあこがれて、いっぱしのギャンブラーのつもりでいたのでしょうか。愚かな者でございました。

 

その頃、パチンコもよくやりました。暮らしていた街のパチンコ屋から、その私鉄沿線の各駅のパチンコ屋まで、傾向と対策を駆使して挑んでいました。勝つと大きいこともありますが、負けることも多く、だいたいトータルすると負けてるんです。遠くの駅のパチンコ屋まで出かけて、帰りの電車賃まで使い切って歩いて帰ったこともよくありました。

 

土日は、競馬ですか。朝からなじみの喫茶店のカウンターで競馬新聞読みながらコーヒー飲んで、ある時は仲間たちの分も引き受けて並木橋まで馬券買いに行ったり、誰かが行ってくれる時は、そのまま雀荘に行って、ラジオの競馬中継聞きながら麻雀打ってたり、学生の分際でなめたまねしてましたね。

元手は乏しいわけで、競馬の予想や解説は、真剣に読んだり聞いたりしましたが、私は好んで寺山修司の解説を聞いていました。当時、表現者としての寺山にはかなり影響を受けた世代でしたし、彼の競馬解説には、独特な物語のような面白さがあったんですね。でも、あんまりあたらなかった気がしますけど。私は、その頃テレビで寺山の解説を聞きすぎて、完全にモノマネができるようになっていました。そしてそれがきっかけで、競馬解説だけでなく、芝居や映画や文学を語る寺山修司のマネもやるようになりました。

これは余談です。

 

20歳の頃の私は、こうやって大人の男の世界にあこがれて、いきがっていたんだと思います。背景に、男は博打打ちだ、男は江夏だ、みたいな空気ありましたから、あの頃。そして、深い深いギャンブルの世界の、ほんの入り口を垣間見てたのでしょう。可愛らしくも。

だいたい、元手もなく、たまに分不相応の実入りがあったかと思えば、すっからかんのピーになって息をひそめたり、かといって、大きく動いて破滅してしまう迫力もなく、トータルすれば負けているのが世の常で、いつの間にかその熱も冷めておりました。

ある時、憑きものが落ちたように。

それから、あまり自分からギャンブルをやることはなくなりました。若い時に食べすぎて食あたりをしたのかもしれませんが。この先も、博打の本当の魅力のようなものはわからぬままのような気がします。色川さんや、伊集院さんや、寺山さんや、友達のマンちゃんのようなギャンブラーには、私はなれないのだと思います。やはり。

Keiba 
 

2011年8月 3日 (水)

Facebookのお誕生日

7月28日が、私誕生日なんですね。でも年齢も年齢だし、この何年も、特にこれといった何事もなく、近所に住んでる3歳違いの従妹の誕生日が1日違いなので、久しぶりにメールのやり取りするくらいで、ただ淡々と過ぎて行くんです。たいてい。

ちなみに、7月27日は、この従妹の旦那とその友達とでゴルフに行ったので、会社休んだんです。

で、その旦那と別れ際に、

「あ、奥さんに、誕生日おめでとうと言っといてね。」

とかいって、うちに帰って早くに寝ました。

次の朝、会社に来てみると、休み明けはいつものことなのだけど、メールがたくさん来ていて、この日はやけにfacebookからのメッセージが多く、これがみんな、お誕生日おめでとうという趣旨のものなんですね。

そおか、facebookの時代ってこういうことなのか。「ソーシャル・ネットワーク」っていう映画も観て面白かったし、いろんなところで、facebook話もいろいろ聞いたけど、実際どういうことになるのかは、あんまりわかってなかったんです。

 

2月頃だったか、一人の友達からfacebookへの招待が来たんですね。

「下河原さんからFacebookへの招待が届きました。Facebookに登録して、友達の近況や写真をチェックしたり、自分の最新ニュースを友達に知らせましょう。」

という文面でした。下河原さんも私も、その後それほど積極的に参加しているとは言い難いんですけど。

それから、徐々にさまざまな友人や知りあいから、

「○○さんから、Facebookの友達リクエストが届いています。」

というお知らせが来るようになりました。当然よく存じ上げている方が多く、中には存じ上げない方もいますが、たいていの場合は、友達リクエストやぶさかではないので、承認するわけです。そうこうしているうちに、私のfacebook友達は、現在72人ということになっております。

 

そんなことで、お祝いのメッセージをたくさんの方から頂戴し、ほうっておくのは失礼かとも思い、少しあわてもしたので、お昼前にお礼のメッセージを、私の方から出したんです、facebookに。そしたら午後からもいろんな方から、おめでとうメッセージが届き始めたんです。迂闊でした。私が大々的にお礼を云ったばかりに、それが催促になってしまったんだと思います。

要するに、私、この機能をよくわかってないし、使いこなせてないんですね。だいたい個人データの生年月日のところだって、月日だけ書いとけばよかったのに年まで入れるから、みんなに実年齢バレバレになっちゃってるし、男だからいいようなものの。

結局、7月28日が終わりに近づいた23:33までメッセージいただきました。スミマセン。

 

でも何だか、嬉しかったですね。

結果的には、何十人もの人からお祝いされたわけです。

子供のころから、7月28日って夏休みが始まったあたりで、学校の友達には会えないし、暑いし、あんまり誕生日ってやったことがなかったんです。1回だけ近所の子供集めてやったことがあったんですけど、誰かが持ってきてくれたおもちゃのボクシンググローブで、本気の殴り合いになって、友達が鼻血出して倒れちゃった記憶が強烈で、誕生日っていうとそのことばかり思い出したりしてましたから。だから、こんなにたくさんの人からいっせいにおめでとうと言われたのは初めての経験だと思うんですね。Facebookが知らせてくれたおかげであります。

今年、6月に誕生日を迎える友達のリストがfacebookから届いた時に、長く会ってない元仕事仲間の女性がいたので、懐かしい人集めて飲み会やったんですね。思ったとおり盛り上がりました。その時に、7月には私とそこにいたもう一人の友達が該当することがわかり、来月もやろうということになります。7月も7,8人集まって飲みました。また盛り上がります。そうすると不思議なもので、8月生まれの人がそこにいるのですね。そこで、そういえばあの人も8月だよね、そうだそうだということになります。これは確実に来月もやりますよ。

なんだかこの勢いでしばらく続きそうです、お誕生会。

 

友達の近況を知るのも、自分の最新ニュースを友達に知らせるのも、確かに楽しいです。誕生日を知らせるのはその最たる機能でしょう。何十年も音信が途絶えていた友人から、突然連絡があったのも嬉しかったです。これも、この仕組ならではのことです。

でも、先程も申しましたように、私的にはあんまり積極的に参加しているとはいえない状況です。Facebookを覗くと、実にいろいろな方からの、楽しい経験談や、新しいニュース、おもしろい写真などが溢れているのですが、どうも私には、こういう気のきいた情報を、サッサッと手早く送る才能がなさそうですし、だいたい身の回りのそういう出来事に気付く能力も低そうです。当分は、みなさんが発信した情報を受け手として楽しませていただくことになりそうです。

ただ、この機能のおかげで始まった「お誕生会」で、先頭きってはしゃいでいるのは私なんですけど。

やっぱり、人間がアナログなんでしょうか。

Happy birthday   

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