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2023年4月25日 (火)

ちょっと気になったテレビの番組のこと

この数年というもの、いろんな理由で家にいる時間が増えておりまして、ほとんど家にいなかった昔のことを思えば、格段の在宅時間になっております。
そんなことで、ただ意味もなくついているテレビを見てる時間もあって、初めて見る番組とかCMなんかも、よく見かけるんですが、つくづくテレビというものは、つまらなくなったなと思うんですね。ただこれは総論というよりは、極めて個人的な感想でして、日々一所懸命にテレビの仕事をされてる方に、とやかく云うつもりもなく、テレビが始まった頃の、あの何やっても面白かった時代とはもちろん違いますし、あくまで私自身の尺度でしかありませんが。
たいていのテレビのコンテンツに既視感があるというか、何見ても、これ見たことあるなという感覚ですね。考えてみると、この国でテレビの放送が始まった頃に生まれて、何10年もテレビ観てきましたから、当然といえば当然なんですけどね。
そんな中で、たまたま偶然見ていて、見始めるとついつい最後まで見入ってしまう番組があったんですね。正確な放送時間なんかも、よく知らなかったりするんですけど、わりとこの時期、偶然何本かを見たんです。
番組名は、NHKの「ドキュメント72時間」と云います。
たぶん何年も前から続いている番組なんでしょうけど、日本中のいろんな場所にカメラを置いて、72時間。そこに現れる人々や風景を撮り続けて、30分に繋いだドキュメントです。そう言ってしまえば、それだけなんだけど、その30分についつい引き込まれてしまう力があるんです。
場所は、その都度さまざまで、たとえば、どこかのラーメンの屋台とか、街道の24時間営業のドライブイン、北海道のはずれの雪に埋もれたコンビニ、高速バスターミナル、資格試験の予備校、真冬の山小屋、奄美のFMラジオ局、この前は国内だけじゃなく、アフガニスタンのとある食堂、等々なんですけど、そこに現れる人たちを実にていねいに撮ってるんです。

Ramenyatai_2

そういった場所の3日間なんですが、そこにいる人にとっては日常なんだけど、それぞれ聞いてみると、一人一人、全く別々の背景や事情があって、ついつい聞き入ってしまうようにできてるんですね。
テレビ見てる方としては、通りすがりのいろんな人の話をふんふんと聞いてる感じなんだけど、元気のいい人もいれば、静かな人もいるし、面白い話もあれば、けっこう切ない話もあって、なるほどなということも、しみじみしたり、しんみりしたりすることもあって、ついつい30分がすぐに過ぎてしまうのですね。
考えてみると、こういう番組作るのって、NHKさんは昔から得意なんですよね。全国各地に支局があるし、各地方に向けた地元のドキュメント番組とか、よく制作されていますから。見てるとディレクターの取材の仕方とかも上手だし、技術スタッフも手際がよくて、うまいなと思います。
それに、民放の番組みたいに、視聴率がどうしたこうしたみたいな、面倒くさいこともあんまりなさそうな番組のようにも思います。
大体それほど肩に力入ってなくて、たんたんとしたタッチだけど、話されてるどうってことない一言一言には、妙にリアリティがあって、なんだか人生って、こういう小さなかけらの積み重ねかなって思ったりするんですね。こっちも年取ったせいかもしれんけど。
いずれにしても、WBCやワールドカップ以外で、あんまりちゃんと見ることのなくなっていたテレビで、ちょっと気に掛かった番組ではありました。
ちゃんとオンエア時間をチェックして、次も観なくちゃ。

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